歯科医師が銀歯を入れない4つの理由

銀歯

虫歯になってしまい、近くの歯科医院に行ったところ銀歯を入れることになった。白い歯がよいのだけれど、治療費が高いから、とりあえず安く保険が効く治療をしようと思い銀歯を選択した。そんなご経験ありませんか?

もちろん、虫歯を治すという目的において、銀歯を入れる事は十分な治療法といえます。しかし、どのような治療方法にもデメリットはあります。今回は銀歯を入れることで起こりうるリスクと、よりよい治療方法のご説明をいたします。

銀歯は見た目に影響する

銀歯はその名のとおり金属を使用します。そのため奥歯だからいいやといれた結果、口を開けると歯が銀色に光ってしまいます。また時間の経った銀歯は黒く見えることもあり、見た目の悪さから、口を開けて話したり笑ったりすることが苦痛となってしまい、表情が硬くなったり、コミュニケーションが取りづらくなってしまうこともあります。さらに、金属イオンが溶け出して、血流の豊富な歯茎や粘膜に溶け出すと、付着部分が黒くなることがあります。これは原因である銀歯を外す以外に方法がありません。

こうしたコンプレックスを長年かかえると、どこへいくにもマスクが必要になったり、話をするときにすぐ口に手を当ててしまったり、できるだけ笑わずに写真を撮ったりといったクセがついてしまいます。これが他人には自信のなさのように見え、人前にでる仕事の方にとっては、お仕事に影響がでたり、そうでない方でも生活の質を落とすことになりかねません。また口元が美しくないと、たとえ身の回りに気を遣っても清潔感を欠いて見えてしまうこともあります。

銀歯は寿命が短く、二次虫歯になりやすい

人の口の中は、とても過酷な環境なのをご存じでしょうか。食事をしたり、歯ぎしりや食いしばりといった噛む力によって銀歯が変形することがあります。そして、誰しもの口の中に存在する虫歯菌によって酸も発生し、食べ物による熱などの温度変化もあります。

こうした環境の中で、被せた歯と銀歯が合わなくなっていきます。すると隙間から虫歯になりやすく、銀歯が外れたり、痛みを感じたりします。さらに、古い銀歯を交換する際は、周囲の健康な歯をもう一層削る必要があるため、初回よりも大きな銀歯になることがほとんどです。

銀歯により噛み合わせの乱れ、顎関節症や肩凝り、めまい、頭痛などの影響も

保険診療では、銀歯は奥歯に適用されます。奥歯は噛むための大切な部分であり、銀歯によって噛む面の形が変わると噛み合わせが変わります。治療本数が多いほど、噛み合わせが次第に変わっていき、結果として正しく噛む場所がわからなくなっていきます。

物を「噛む」という動作はアゴの骨と歯からなり、口を閉じる最終地点は奥歯の歯と歯の噛み合わせで決まります。歯がなくなると、どこまでも噛めてしまいます。例えば、歯を失ってしまった高齢者の顔貌で、鼻の下からアゴまでの距離が短くなるのはそのためです。

奥歯の噛み合わせがズレると顎は誘導され、顎関節症を引き起こし、口を開け閉めすると顎がポキポキ音を出したり、顎先がどちらかに偏位したり、痛みを感じることもあります。放置して悪化すると口が開かなくなったり、閉じなくなったり、アゴの骨が削れてしまう可能性もあります。

顔面や頭部にはたくさんの骨と神経があり、それらは繋がっています。こうした顎や噛み合わせのズレから、肩凝り、頭痛、めまい、神経痛、気分の落ち込みなど様々な影響を及ぼすことがあります。

金属アレルギーから痒みや湿疹が出ることもある

保険診療の歯科用金属は、金銀パラジウム合金といって、熱や酸、噛む力など過酷な環境である口の中でも耐久性に優れたものです。しかし、金属は異物であることに変わりはなく、はじめは問題なくても変性しないとは言い切れず、前述した金属イオンが溶け出し、粘膜や歯茎に触れることで歯茎を黒くするだけでなく、異物と判断した身体の免疫反応により、周囲に赤味や痒み、痛みといった炎症反応を引き起こすことがあります。

最近では、アレルギーとなる金属の種類も増えており、昔は大丈夫だったが、時間が経ってから反応することもあります。やっかいなのは、それが銀歯が原因であると判断されにくいことです。必ずしも口の近くに発生するということもなく、遠く離れた体の一部に出た発疹が、実は銀歯が原因である実例もあるのです。体に痒みなどのアレルギー反応が出たけれど、皮膚科にいっても原因が判らず長年悩み、歯科で銀歯を外したら改善されるケースもあります。

セラミック歯という選択

こうしたリスクを減らすためにはどうしたらいいのでしょう。まずは虫歯にならないように、日々のブラッシングやフロスなどに気を配り、定期的に歯科医院に検診に行くことが一番大切です。

どうしても虫歯になってしまい、銀歯を入れなければならなくなったら、初期費用はかかりますが、金属でない材質を選びましょう。長い目でみると前述のリスクを抱えるよりはるかにメリットが大きいといえます。

銀歯の変わりとしておすすめは、セラミックという材質です。お茶碗と同じセトモノからできています。お茶碗が何千年も前のものでも、綺麗に発掘されるように安定性が高く変性を起こしにくい材質です。人へのアレルギーも、金属よりも起こりにくく、叩いても割れない強度があります。

銀歯は一定の力が加わると壊れずに変形をしてしまいます。装着した銀歯が変形をすると、隙間ができ虫歯の原因となります。一方、セラミック歯はお茶碗が下に落ちると割れるように、一定の力を超えると壊れます。そのため、装着したセラミック歯の変形による虫歯のリスクはなく、中の歯はとても綺麗なことが多いのです。

歯科用セラミックは年々進化しており、美しさ、丈夫さ、価格、種類など日々変化していきます。大切な歯を本当に長持ちさせるには何がベストなのか、10年先の歯の為に今きちんと選択しましょう。ご自身で調べるのはもちろんのこと、信頼できる実績ある歯科医院の歯科医師に相談し、よりよい治療方法を選択してください。

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