子供の歯列矯正について

小児_ワイヤー矯正

ワイヤー矯正とは

大人子供に関わらず、ワイヤー矯正とはマルチブラケット装置のことを言い、ブラケットと呼ばれる四角い小さな装置を1本の歯に付き1つ、特殊な接着剤で装着します。そこにワイヤーを通して歯を並べていく矯正治療になります。
そして、マルチブラケット装置は表側につけるタイプのものと裏側につけるタイプのものがあります。

表側につけるタイプのものはメリットとしてほとんどの不正咬合に適応できる事、細やかで正確な歯の移動が可能である事、装置の周りについた汚れを目で確認できて清掃しやすい事などが挙げられます。デメリットとしては装置が目立つことが挙げられます。ただし、装置やワイヤーが白いものも選択できますので昔の全てシルバー色のものより目立ちにくくなっています。

そして裏側につけるタイプのものはメリットとして目立たない事、唇に引っかかることがない事などが挙げられます。デメリットとしては喋ったり食べたりする時に装置に舌が引っかかる事、清掃しにくい事、不正咬合の種類によっては使えない場合がある事、細かい歯の移動が困難である事などが挙げられます。

これらをふまえた上でどのタイプの装置で治療するか患者様と相談の上決めていきます。また、マルチブラケット装置で使うワイヤーは太さや素材、強さなどが違うもので多くの種類があります。その中から矯正医が今の歯並びに適したワイヤーを選択し、装着します。また、細やかな歯の移動や回転などを行うためにワイヤーを曲げていき、バネやゴムなどの補助器具を装着したりもします。そのため、1~2か月に1回来院していただきワイヤーの調整を行う必要があるのです。

子供のワイヤー矯正とは

マルチブラケット装置の事を少しご理解いただいたところで子供のワイヤー矯正についてお話しします。子供の矯正治療はⅠ期(混合歯列期の治療)とⅡ期(永久歯列期の治療)に分かれます。

Ⅰ期では主に骨格的な不正を改善します。骨格的な不正とは、上下のアゴの骨のバランスや、歯が生えている骨の大きさ(歯列の大きさ)の不正のことを言います。骨格的な改善とともにⅠ期でもワイヤーを使った治療を行うことがあります。マルチブラケット装置は基本的に永久歯に使う装置ですが、例えば混合歯列期で前歯が永久歯で奥歯が乳歯の場合、永久歯である前歯の凸凹を治すために部分的に使用したりします。Ⅰ期治療が終了し、全ての永久歯が生え変わる12歳ころになるとⅡ期治療がスタートします。

Ⅱ期治療では全ての歯にマルチブラケット装置をつけてワイヤーの力で歯を理想的な位置に並べ、見た目はもちろんのこと噛み合わせもしっかり完成していきます。歯の移動はⅠ期でもある程度は並びますが、Ⅰ期で使う主な装置は細かい歯の移動を苦手とするため、Ⅱ期のマルチブラケット装置でより細かく、正確に歯を並べていきます。Ⅰ期治療をせず、永久歯に生え変わってから矯正をすると、骨格的な不正が改善できるのは成長期のみになるため、歯を理想的な位置に並べるために抜歯や外科矯正をするリスクが高まります。そしてⅠ期である程度歯を並べておくと、Ⅱ期治療が簡単になったり、期間が短くなるのでお子様の負担が減るといったメリットもあります。

子供の矯正の期間は不正の程度にもよりますが、Ⅰ期Ⅱ期共に約2年前後が目安となります。ただ2年もマルチブラケット装置をつけていると虫歯のリスクを心配される親御様も多いかと思います。しかし、装置装着時にしっかりとブラッシングの指導を受け、来院時に磨き残しが多ければ再度指導を受けることによりリスクはかなり軽減されます。
そして矯正治療のほかに歯科定期健診を定期的に受信することをお勧めいたします。お子様の場合は虫歯の進行が早いため、4~6か月に1回はしっかりとチェックする必要があります。

子供矯正の治療中の痛みはあるの?

その他に心配事として「痛み」があると思います。ワイヤー矯正をしている時の痛みの種類には2種類あります。まずは「歯が動く痛み」です。初めてワイヤーを付けた時に一番痛みがあり、そして医院でワイヤーを調整したり、交換した時も痛みがあります。ただ、ずっと痛いのではなく、1日のうち物を噛んだ時(食事中)や歯ブラシの時に痛むといった事が多いです。そして2~3日すると痛みは引き、普通に食べられるようになります。

次に痛いのはワイヤーや金具が頬や唇などの粘膜に当たって痛い場合です。これは食事や歯ブラシによって、または歯が移動したことによってワイヤーや金具の位置が変化して起こってくる痛みです。こうした場合はお渡しするワックス(装置につける粘膜を保護するもの)で当たらないようにしていただくか、医院まで来院して頂いて痛くないように処置をいたします。

そして、Ⅱ期のワイヤー矯正が終了したら装置をすべて除去するのですが、除去して放置してしまいますと後戻りといって綺麗になった歯並びが元に戻るように動いてしまいます。そこで必要になるのがリテーナーという保定装置で歯が移動した部分の骨がしっかりできるまで歯並びを今の状態に保っておくための装置です。これは透明なマウスピースのものや、ワイヤーとプラスチックでできたものがあり、場合によっては歯の裏からワイヤーで固定をします。これらを一定期間使っていただくことにより後戻りを防ぎます。

矯正歯科治療は年単位の治療となるため、歯科医師と長いお付き合いになります。そのため、お子様自身にとって相性が良い、気に入ったと感じる医院と歯科医師をお選び頂くことが大切だと思います。

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