オールセラミックの特徴と治療の種類

オールセラミックの特徴と治療の種類

オールセラミック

日頃の歯磨きを怠ってしまい、虫歯になってしまった。虫歯治療を受けたものの、歯を大きく削る事態になってしまった。このようなことがあると、どうしても落ち込んでしまいがちです。さらに、削ったところが全部銀歯になると思うと、ショックですよね。

でも、今では、必ずしも削った歯に被せたり詰めたりするのは銀歯である必要はないのです。まるで自分の自然な歯のように白く透明感のある美しい歯で治療を終える方法あります。

その美しい歯を保つ治療に使われる素材であるオールセラミックの特長や治療の種類についてご紹介します。

オールセラミックとは

今、歯科治療を受けた人の間でオールセラミックが話題になっています。オールセラミックとは、例えば虫歯などで歯を削った後、欠損した部分の歯を埋めるための詰め物や被せ物(差し歯)といった補綴物(ほてつぶつ)すべてに、セラミック素材のものを使用するという意味です。

場合によっては、セラミック100%の材質のものをそう呼ぶこともありますが、今回はすべての詰め物と被せ物をセラミックにするという意味合いでオールセラミックという言葉を使います。ちなみにセラミック100%の詰め物をオールセラミックインレー、セラミック100%の被せ物や差し歯をオールセラミッククラウンと呼びます。

セラミックとは、「陶材」のことです。つまり、お茶碗などに使われている陶器と同じ材質です。これまで、詰め物といえば「銀歯」が主流でした。メタルインレーと呼ばれますが、この銀歯は見た目が目立つこともあり、口の中全体を暗くしてしまいます。

また、金属アレルギーの心配もあり、他の材質が使われるようになりました。その中でも人気なのが、セラミックなのです。歴史的にみると、セラミックが歯に使われるようになったのは19世紀末のことで、割れやすいことから金属のフレームにセラミックを焼き付けた差し歯が普及しました。しかし審美性が劣ることから、技術の進歩により、セラミックのコア(芯)部分をコンピューターで削り出すようになったことで、強度が高まり、実用化されています。

また、審美性は金属ほど損ねないことから、人工ダイヤモンドと呼ばれる強度の高さが特徴のジルコニアがフレームに使われるようにもなっています。

オールセラミックのメリット

自分の口の中の歯の詰め物や被せ物をオールセラミックにする場合、どのようなメリットがあるのでしょうか。主に次の4つが挙げられます。

色の再現性が高く透明感と艶のある自然なデザインに仕上がる

歯の治療後も、従来の歯と変わらない白い透明感をキープでき、光を反射する艶のある健康的な歯に見せることができます。

従来使用されてきた銀歯は、笑ったときや人と近くで会話したときなどは、奥歯に見える銀色のものが気になることがありました。色も銀色でやはり審美性に欠けるものがあります。その点、セラミックは陶器のような白く美しいなめらかな歯を実現してくれ、色の再現性も高いです。オールセラミックであればデザインも美しく自然に整います。

保険の差し歯の治療と比べると虫歯になりにくい

詰め物をすると、その隙間から虫歯菌や歯垢が入り込みやすく、さらに虫歯になりやすいという話を聞いたことはありませんか?

その点、オールセラミックはしっかりと歯にセラミック専用の接着剤でつけますし、歯にフィットするため、隙間が空きません。安定的に詰めることができるため、保険の差し歯と比べると虫歯のリスクが減るといえます。

汚れがつきにくいため着色、変色のリスクが低い

オールセラミックは素材の特徴として、汚れがつきにくいことから、天然の歯や保険の差し歯のようにステインと呼ばれる黄ばみなどの着色汚れに悩まされることがありません。セラミックは陶材ですから、陶器をイメージすればわかる通り、変色のリスクもほとんどありません。

金属アレルギーの心配がなくなる

オールセラミックは銀歯などの金属と比べて、身体にアレルギーが生じることがありません。よって、費用は高いものの、身体のことを考えてオールセラミックを選択される方が多いです。

オールセラミックのデメリット

一方で、オールセラミックにはデメリットもあります。主に次の3つが挙げられます。

保険診療外のため値段が高い

セラミックは保険が適用されず、自由診療の治療になります。銀歯やプラスチックは保険診療内ですが、セラミックは異なります。よって、自己負担が大きくなることはあるでしょう。オールセラミックの費用相場はオールセラミッククラウン1本当たり約8万~18万円で、仮歯やデザイン、神経治療が必要になった場合を想定すると、トータルの費用は2本以上で50万円以上かかります。口の中全体の被せ物が5~6本だったとすると、100万円は優に超えることが予想されます。このように値段が高いのはオールセラミックのデメリットです。

セラミックは割れやすい性質を持つ

セラミックの素材は、陶器をイメージすれば分かる通り、割れやすいところがあります。もちろん、ちょっとした刺激では割れることはありませんが、極端に強い歯ぎしりの癖があると、割れることもあります。これは、自分の実際の歯よりも硬いことも理由といわれています。

歯を普通よりも多く削ることもある

オールセラミックの場合、診断によっては歯を通常よりも多く削ることがあります。これもデメリットといえるかもしれません。

オールセラミックが実現する具体的な治療と値段

オールセラミックが使われる歯科治療にはどのようなものがあるのでしょうか?具体的に知っておきましょう。

例えば、虫歯の治療後に詰めた銀歯が取れてしまい、歯科医院でつけ直してもらおうとしたところ、銀歯の下が虫歯になっていたというケースがあります。詰め物をしたところに虫歯が生じるケースはとても多いです。この場合、まずは虫歯を治療し、歯を削った後にセラミックを施すことになります。

また叢生(そうせい)や乱杭歯(らんくいし・らんくいば)と呼ばれるデコボコした不正な歯並びや、生まれつき歯が小さい矮小歯を持ち、機能的・審美的に不具合がある場合などには、セラミックで矯正を行うこともあります。

これらの治療において、差し歯や歯の被せ物として使うものは「オールセラミッククラウン」と呼び、歯の土台が必要になることもあります。また、詰め物については、小さな欠損を補う「オールセラミックインレー」と大きな欠損を補う「オールセラミックアンレー」とがあります。もし、歯を抜くことになり、歯が欠損してしまった場合には、それを補う「オールセラミックブリッジ」が適しています。

また、前歯を少し削り、その表面に薄いセラミックを貼り付けるという治療方法もあります。これを「ラミネートベニア」と呼びます。歯の表面がでこぼこしていたり、変色していたり、歯の一部が欠けてしまったりといったときに行われます。

その他、セラミックの歯を補強するために強度の高い「ジルコニア」や「酸化アルミニウム」がオールセラミッククラウンの内側のフレームに使われることもあります。またオールセラミックと比べて強度の期待できる「ニケイ酸リチウムガラス含有セラミック」という材質もあります。

それぞれの種類や材質について詳しくみていきましょう。

差し歯や歯の被せ物のオールセラミッククラウン

セラミッククラウン

被せ物や差し歯などにオールセラミックを使用することもあります。その場合には、オールセラミッククラウンと呼ばれます。特に前歯など審美的に重要な部分に使われることが多いです。値段は1本当たり8万~18万円が相場です。

オールセラミッククラウンの土台に用いる素材

オールセラミッククラウンを被せる場合、通常であれば歯を削って土台にしてそこへ被せますが、そもそも被せる歯が神経を抜かなければならない場合は強度が足りないことがあるため、歯の根の部分に土台(コア)を立てて、その上から被せます。

このオールセラミッククラウンの土台に用いられる素材は多種類あります。それぞれの費用相場と共に確認しておきましょう。

金属コア(メタルコア)

金属でできた強度の高い土台です。オールセラミッククラウンの土台にすると透けて見えてしまうので審美性には劣ります。値段は保険適用されるので600~700円ほどです。

レジンコア

歯科用プラスチックのレジンを使った土台です。支柱のところに金属が使われています。値段は保険が適用される場合は500円ほど、保険が適用されない場合は3千円~2万円ほどが相場です。

ファイバーコア

白いグラスファイバーの土台で、オールセラミッククラウンで歯が透けても問題なく審美性を保つことができます。保険適用されず、値段の相場は1.5万~2万円ほどになります。

ゴールドコア

金の材質の土台です。金は生体親和性が高く、アレルギーが出にくく、強度としても問題ありません。ただ金が透けて見えるデメリットはあります。保険適用されず、値段の相場は2万円ほどになります。

小さな欠損を補うオールセラミックインレー

セラミックインレーの症例写真

オールセラミックの詰め物のことをオールセラミックインレーといいます。これは、虫歯の治療で歯を一部分、削った際に、その削った部分に詰める用途などに使用します。銀歯のように変色もなく、強度もあるため奥歯によく使われます。また透明感があり審美性が高いのも特徴です。値段の相場は1本当たり3万~5万円ほどになります。

詰め物といえば、保険適用されるコンポジットレジンという歯科用プラスチックが思い浮かぶかもしれません。レジンの費用相場は保険適用で2千円ほどです。レジンも白いですが、それと比べて、オールセラミックは透ける白さを持つため、より自然な歯を実現することができます。またレジンは変色しやすく、劣化のスピードも速いという欠点があります。その点、オールセラミックインレーは変色も劣化もほとんどありません。

大きな欠損を補うオールセラミックアンレー

セラミックアンレー

セラミックアンレーは、オールセラミックで大きな欠損部分を補う治療です。大きめの詰め物です。値段の相場は1本当たり5万~10万円になります。

欠損歯を補うオールセラミックブリッジ

セラミックブリッジ

オールセラミックブリッジは、欠損した歯の両側の歯を削って土台とし、3つ以上歯が連結したオールセラミックを被せて欠損歯を補う方法です。橋を渡すように補うことからブリッジと呼ばれます。オールセラミックブリッジの値段の相場は、3連結のものが12万円~15万円ほどです。前歯の治療によく使用されます。

オールセラミックブリッジは透明感があるので、天然の歯に似た自然な歯を再現できますが、一方で、デメリットとして強度が劣ることから割れやすい、費用が割高になるといったところがあります。その場合、透明感に劣るものの安価なハイブリッドセラミックブリッジや、金属が透けてしまうものの強度の高いメタルボンドセラミックブリッジ、強度が高いものの費用が高額になるジルコニアセラミックブリッジを使用するという選択肢もあります。

歯の付け爪「ラミネートベニア」

ラミネートベニア

ラミネートベニアは歯の表面を削り、削った部分にオールセラミックを貼り付ける治療法です。ホワイトニングで歯が白くならない方やすきっ歯の方、軽度の矯正をしたい場合に向いている治療です。オールセラミッククラウンと比べて、歯をそれほど削らないという違いがあります。値段の相場は、1本当たり10万~15万円ほどです。

強度の高いフレーム「ジルコニア」

ジルコニアとは、人工ダイヤモンドと呼ばれるほど強度の高い素材で、生体親和性が高く医療の分野でも人工関節などに使われています。

もともとオールセラミックは強度がやや劣るため、クラウンの内側のフレーム部分に金属などが補強に使われてきました。しかし金属では透けて見えてしまうので審美性が下がることから、フレームは白くて歯に近いものが求められました。そこで登場したのがジルコニアです。ジルコニアはオールセラミックよりは透明度や白さに劣りますが、歯に近い見た目を実現できます。

内側がジルコニア、外側がオールセラミックでできているクラウンはよく使用されています。値段の相場は、1本当たり15~20万円ほどでオールセラミックよりも高額になります。

安定のフレーム「酸化アルミニウム」

酸化アルミニウムは、オールセラミッククラウンの内側のフレームに使われる素材のことで、ジルコニアが登場するまで主流でした。アルミナとも呼ばれ、市販のお皿などの陶器にも含まれています。化学的に安定しており、硬いためにオールセラミックの補強に使用されています。

強度が比較的高いセラミック「ニケイ酸リチウムガラス含有セラミック」

ニケイ酸リチウムガラス含有セラミックはセラミックの一種で、曲げにも強いしなやかさが特徴です。そのため、天然の歯を噛み合わせたときに、歯を傷つけにくいメリットがあるため、歯ぎしりや食いしばりの癖がある人に向いています。透明度が高いため、天然の歯に近しいセラミックといえます。

ニケイ酸リチウムガラス含有セラミックを使ったe-max(イーマックス)が有名で、クラウン、インレー、ラミネートベニア、ブリッジなどに対応されています。

e-maxの値段の相場はインレーで1本あたり4万~5万円ほど、クラウンで1本あたり6万~10万円ほどになります。

オールセラミック治療はどこで受けられる?

今回ご紹介してきた、歯をすべてオールセラミックにする治療を受けたい場合、歯科の中でどこで受けられるか分からない方もいるでしょう。オールセラミック治療が受けられるのは、オールセラミック治療を行っている審美歯科です。

オールセラミック治療は、ご紹介してきた通り、費用が高額になる治療です。そのため、信頼と実績、及び技術力のある歯科医師のいる審美歯科で受けるのをおすすめします。ホームページなどで見分けるには、やはり多くの症例写真などが掲載されており、症例数の多いところが第一条件です。

また、オールセラミック治療といっても、種類も豊富で、自分の歯の状況によってどれが適しているかはわかりません。ですから、対応しているオールセラミック治療の数が多く、さらに色やデザインも幅広い中から選べるかどうかも重要になってきます。

オールセラミック治療は、必然的に費用負担が大きくなりやすいことから、信頼のおける審美歯科かどうか、歯科医師の腕はどうかなどを、事前のカウンセリングで見極めるのをおすすめします。歯科医師自ら、カウンセリングを十分に時間を取って行ってくれるところがいいでしょう。

【まとめ】オールセラミックの特徴と治療の種類

オールセラミックの特徴と治療の種類をご紹介してきました。

オールセラミックは、歯を削っても、失われても、白く透き通る自然な歯をキープできる方法です。すでに口の中に銀歯やレジンがあり、見た目にも機能的にも不安に思っている人や、これから詰め物や被せ物の治療を受ける予定のある人は、オールセラミックを選んでみるのも一つの方法です。

セラミック矯正で失敗して後悔しないための6つの注意事項

セラミック矯正で失敗して後悔しないための6つの注意事項

セラミック矯正のデメリットとメリット

セラミック矯正のデメリットとメリットとは?

歯並びがいい芸能人はみんなセラミック矯正

歯医者に聞いてみた!歯並びがいい芸能人はみんなセラミック矯正なの?

もし歯を失ったら、あなたはどうしますか?

もし歯を失ったら、あなたはどうしますか?

結婚式前に必ずやっておきたい歯の集中ケア

結婚式前に必ずやっておきたい歯の集中ケア

セラミック矯正治療時の痛みのケアについて

セラミック矯正治療時の痛みのケアについて

関連記事

前歯の出っ歯・すきっ歯はオールセラミックで矯正できる?

前歯の出っ歯・すきっ歯はオールセラミックで矯正できる?

歯並びがいい芸能人はみんなセラミック矯正

歯医者に聞いてみた!歯並びがいい芸能人はみんなセラミック矯正なの?

芸能人のセラミック矯正

芸能人に人気のセラミッククラウンによる矯正とは

オールセラミック

オールセラミックの特徴と治療の種類

セラミック矯正治療の流れと治療期間

セラミック矯正治療の流れと治療期間

セラミック矯正治療で何ができる?

セラミック矯正治療で何ができる?

インビザライン

  1. 世界400万人以上の実績!インビザラインのメリットとデメリット

    2017.02.20

    世界400万人以上の実績!インビザラインのメリットとデメリット

  2. マウスピース矯正をする前に知っておきたいこと

    2017.02.15

    マウスピース矯正をする前に知っておきたいこと

  3. マウスピース矯正の種類っていくつあるの?

    2017.01.8

    マウスピース矯正の種類っていくつあるの?

有村藍里 セラミック矯正