セラミックインレーとは?治療のメリットとデメリットについて

セラミックインレーとは?治療のメリットとデメリットについて

セラミックインレーの画像

インレーとは詰め物のことです。従来、詰め物といえば保険が適用される銀歯やレジンでした。しかし、銀歯は目立つ上に、経年劣化もしやすい点があり、レジンは見た目は白いものの、変色しやすい素材です。それらの欠点を補うセラミックインレーは見た目がとても美しく、さらに長持ちするという利点があります。

しかし、セラミックインレーにも、メリットだけでなくデメリットもあります。そこで今回は、セラミックインレーの治療を受けるときに知っておきたいメリットとデメリットを解説します。

目次

セラミックインレーとは

セラミックインレー

セラミックとは「せともの」と同じ陶器材料でできたものです。お茶碗と同じ陶材ですので変色せず、見た目も美しく、適合、つまり歯との相性もいい素材です。またアレルギーを起こす可能性が限りなく低く、生体親和性が高い素材であるのも特徴です。生体親和性が高いとは、体の中に入り込んでも異物として認識せず、体にとって無害に近いという意味です。

セラミックインレーとは、虫歯を削って歯型を取り自分の歯を最大限残しながら、インレーという部分的な被せ物、つまり詰め物としてセラミックを装着する治療法です。

インレーといえば主に奥歯に使用するものですが、奥歯は噛む力が強く、耐久性が重要になるため、今までは銀歯や金歯が良しとされていました。セラミックは強い力で噛み締めると割れやすいところがあるためです。しかし最近では材料も進化し、セラミックでも十分適応となりました。

虫歯治療後の奥歯の再建方法

保険内診療で歯を再建する場合、小さいものは詰めるだけのレジンという材料で治せます。 これは白い素材なので歯と馴染みやすいですが、 擦り減りやすく変色したり、二次虫歯になりやすかったりするデメリットもあります。寿命は23年程度なので、時期が来たら交換する必要が出てきます。

さらに、大きい虫歯や神経を取らなければならない深さの治療になった場合は、保険診療の場合は銀歯になってしまいます。 銀歯は強くて丈夫ですが、見た目が黒く光っている点、金属アレルギーのリスクもあります。 銀歯の寿命は35年程度でしょう。

これに対し、奥歯の大きい虫歯も白く丈夫で美しく治せる方法があります。 それがセラミックインレーです。

セラミックインレーのメリット

まず、セラミックインレーにはどのようなメリットがあるのか、その長所をみていきましょう。

二次虫歯のリスクが低い

セラミックインレーを装着するときには、まず歯型をとってそれを元に歯科技工所で作成します。 模型上で丁寧に作成するため細やかな着色や、形態修正、研磨など、歯の再現性が高いのが特徴です。

またセラミックは適合がよく、インレーと歯との境界部分に段差などができにくくなるため、二次虫歯(二次カリエス)のリスクが下がります。二次虫歯とは、一度虫歯を治療してインレーを装着したものの、そのインレーと歯との間に隙間ができてしまい、そこから虫歯菌が侵入することで、インレーを装着した歯が再度虫歯になってしまうことです。

また、二次虫歯になってしまっても、セラミックインレーの場合、銀歯よりも治療しやすいメリットもあります。銀歯の場合は隙間から虫歯が進行して広がるため一度銀歯をすべて外して作り直す必要がありますが、セラミックインレーの場合は、変形せず強固に接着剤で歯と接着しているためセラミック部分を残して虫歯を取り除き、部分的に治すことができる場合があります。

変色せず透明感があり審美性が高い

セラミックインレーは、セラミックという陶器の素材を使うため、変色せず透明感に優れ、色の種類も豊富に揃っており、その白く美しい歯から、残る自身の歯の色に合わせた色から選ぶことが可能です。

また、表面も光沢があり滑らかで汚れや着色が付きにくく、 汚れが付いてしまっても取れやすいので口臭などにもなりにくいです。このように透明感があることから審美性が高いのも特徴です。

金属アレルギーのリスクがない

セラミックインレーは、金属を一切使用していないため、金属アレルギーのリスクがありません。セラミックは、生体親和性が高く、体にとってなじみやすく、害のない材質です。

セラミックインレーのデメリット

一方、セラミックインレーにはデメリットもあります。その短所をみていきましょう。

コンポジットレジンと比べ通院回数が増える

セラミックインレーはコンポジットレジンという歯科用プラスチックを歯に盛り付けてほぼ一回の治療で終わるダイレクトボンディングとは異なり、何回か通院する必要があります。

セラミックインレーの場合、まず治療箇所の歯型を取り、仮の蓋をして数日~1週間程度待つ必要があります。 そして後日、また通院し、歯科技工所で作成されたセラミックインレーを装着します。

保険診療で作れる詰め物と比べると値段が高い

白く美しく治すことのできるセラミックインレーは保険外診療のため、自由診療となり、3~7万円程度費用がかかります。保険が適応となる詰め物の銀歯は多くの場合3割負担で済むため、これと比べると必然的に割高になります。

割れる可能性がある

セラミックインレーは、陶材であるセラミックを使っているため、噛み合わせたくらいでは割れることはありませんが、落とすと割れるお茶碗のように、歯ぎしりや食いしばりなどの強い力が加わると割れるリスクがあります。

就寝時に歯ぎしりや食いしばりなどの症状がある方は、あらかじめもっと硬いジルコニアという人工ダイヤモンドの素材やマウスピースをはめるなどの予防策が必要です。

インレーとレジンの違い

先ほども触れたレジンとの違いについて、もう少し詳しくみていきましょう。レジンとは「コンポジットレジン(CR)」のことで、樹脂製の白い修復材のことをいいます。

コンポジットレジンは、はじめは粘土のようにやわらかい状態ですが、光を当てると硬くかたまる性質があります。歯科治療では歯のすき間をふさいだり、欠けた歯を補ったりするときによく使われます。これをダイレクトボンディングと呼ぶこともあります。

この方法は、歯に盛り付ける銀歯などと比べて安価かつスピーディーに充填でき、しかも歯に近い白さがあるためそれほど目立たないというメリットがあります。また、セラミック治療と比べて歯を削る量が少ないのもメリットです。

セラミックインレーとの大きな違いは、コンポジットレジンは擦り減りやすく、変形が起こりやすい点です。セラミックインレーは陶器なので、擦り減りや変形が比較的起こりにくいです。また、セラミックインレーは本物の歯と同等、またはそれ以上の透明感と審美性が高いですが、コンポジットレジンについては透明感はありません。

また、コンポジットレジンは、二次虫歯になりやすい一方、セラミックインレーはそうしたリスクが低いです。さらに、セラミックインレーは費用が高いものの、コンポジットレジンよりも耐久性や見た目の美しさに優れています。

セラミックインレーとコンポジットレジンの比較

セラミックインレー コンポジットレジン
摩耗・変形 起こりにくい 起こりやすい
変色 起こりにくい 起こりやすい
透明感 あり なし
価格 高価 安価
金属アレルギー 心配なし 心配なし
二次虫歯になりやすさ 歯に接着しやすく、二次虫歯になりにくい 二次虫歯になりやすい
寿命 10年以上 2~3年

インレー、アンレー、クラウンの違い

セラミックインレーは、「インレー」の一つです。インレーとは部分的な被せ物や詰め物のことを指しますが、被せ物や詰め物には、他にも「アンレー」や「クラウン」などの種類があります。いったいこれらの3種類はどう違うのか整理しておきましょう。

インレー アンレー クラウン
歯全体の5分の4を覆うもの 歯全体を覆うもの(歯にかぶせるもの)
「IN(イン)」⇒歯に入れるという意味で、部分的に歯に補う詰め物のことです。 「on(オン)」⇒歯にのせるという意味で、インレーより大きく、クラウンよりも小さいものです。 歯の欠損した部分をインレーやアンレーなどでは補修できない際に、歯全体を冠のように覆います。

インレーやアンレーは、よく虫歯治療の際に歯を削った後に埋めて補うもので、クラウンは例えば、前歯が欠けてしまったときに削り、セラミッククラウンなどを上から被せて歯を修復するものです。

セラミックインレーのよくある質問

セラミックインレーのよくある質問

最後に、セラミックインレーの疑問や不安を解消しておきましょう。

オールセラミックインレーとは何ですか?

セラミックにはさまざまな素材があります。なかでも、インレーに使えるのが「オールセラミック」と「ハイブリッドセラミック」です。オールセラミックとは、100%セラミック素材という意味です。

噛み合わせの状態によって、オールセラミックでは強度に不安がある場合は、ジルコニアセラミックを選択する場合もあります。

一方、ハイブリッドとは、セラミックとコンポジットレジンとのハイブリッド、つまり、2種の素材を合わせたものです。レジンはもともと変色しやすさや耐久性に劣るため、セラミックを混合させることにより強度が高くなっています。

ただ、オールセラミックと比べると耐久性・変色の面では劣ります。セラミックだけで作られたオールセラミックは、天然の歯に近しい透明度で美しいというメリットがあります。

銀歯のインレーとセラミックインレー、どちらにしようか迷っています。セラミックのほうが機能面で劣るということはありますか?

セラミックが機能面で劣ることはありません。審美性を求める場合にはセラミックが優勢ですが、機能を気にされるのであれば、どちらも同等です。

ただし、将来的なことを考えると、適合の高いセラミックインレーのほうが、装着したすき間から菌が入り込みにくいため、虫歯になりにくいというメリットはあります。

また、セラミックは割れやすいといわれることがありますが、よほど強く歯ぎしりや食いしばりをしない限り、通常、割れることはありません。

セラミックインレーにすると定期的なメンテナンスが必要になりますか?

セラミックインレーは、長期間問題なく使い続けるためには定期的にメンテナンスを受けると安心です。ただ、銀歯やほかの詰め物にしたからといってメンテナンスが不要というわけではありません。むしろ銀歯のほうが、その銀歯を被せた下の歯が知らないうちに虫歯になっていたというケースも多いのです。

このことを考えると、セラミックインレーのメンテナンスの際に口の中全体をチェックしてもらう習慣があるということは、大きなメリットといえます。

すでに銀歯になっているところをセラミックインレーに変えることはできますか?

できます。銀歯は見た目の点で気になるだけでなく、虫歯になりやすいため、セラミックインレーに変えることで、歯の健康を守る意味でもメリットがあります。

銀歯を外してみて、虫歯になっている場合、治療も行えるので、歯の将来のことを考えても良いタイミングといえます。

セラミックインレーの治療期間と通院回数

セラミックインレーはどれくらいの治療期間と通院回数が必要になるのでしょうか。

セラミックインレーの治療は、大まかにいうと、まず虫歯治療や銀歯の除去などの必要な治療を行うために1回通院し、そのあと、セラミックインレーを装着するための場所を作ります。

きれいに削ったら、セラミックインレーを作るために、歯型を取ります。そしてそこへ仮の蓋を入れて、いったん治療は終了します。セラミックインレーができあがるまでには、一週間ほどかかりますので、それまで仮の蓋をした状態で過ごします。歯型を元にセラミックインレーを作成されたら、それを装着するために再度通院します。

つまり、最短2回の通院でセラミックインレー治療が終わります。2回でスムーズにいけば、最短で1週間ということになります。ただし、最初の虫歯治療などが1回で終わらないこともありますので、その場合には通院回数も治療期間も延びます。

セラミックインレーの治療の流れ

続いて、セラミックインレーの治療の手順を順番にみていきましょう。

カウンセリングと診察

治療を受ける前にカウンセリングと口の中の診察を行います。カウンセリングでは、主に歯科医師が口の中の状態や悩みをヒアリングし、最適な治療法を提案します。このときに、セラミックインレーが適用できるかも確認してもらいます。また、診察をして、どのような治療が必要になるのか具体的に診てもらいます。そうして治療計画を立てます。

必要に応じて虫歯治療と金属の詰め物の除去

セラミックインレーを入れる必要のある治療の場合には、主に虫歯で歯を削る必要があったり、すでに金属の詰め物が入っていて、中の歯が虫歯になってしまい、金属の詰め物を外して治療しなければならなかったりする場合があります。時には、金属アレルギーの方で口の中のすべての銀歯を除去して、セラミックインレーにやり替える方もいます。いずれにしても、ここでは必要な治療を行います。

窩洞(かどう)形成

虫歯を取り除いてできる穴、「窩洞(かどう)」を作る段階です。窩洞形成とは、虫歯の再発防止のために、周囲にある健康な歯の部分に、セラミックインレーのような詰め物が隙間なくしっかりと適合できるように、削って整える作業のことをいいます。穴の内側の側面の壁を外開きにするなど丁寧に整えていきます。

歯型取り

続いて、セラミックインレーを作るために必要となる歯型を取ります。

この歯型を元に、適合するセラミックインレーを作っていきます。歯型を取るには、まずトレーという金属製のスコップのようなものに印象材という粘土のようなものを盛り付けたものを口の中に入れて、噛んで歯型を付けます。噛みながら印象材が固まるまで少し待ち、固まったら外すと、粘土に歯型がついたような状態になります。これで歯型取りは終了です。

歯の色合わせ(シェードテイキング)

次に、セラミックインレーの色を決めます。セラミックインレーは、装着する予定の天然の歯とできるだけ近い色でないと目立ってしまうので、色合わせをして、その色でセラミックインレーを作ってもらいます。

色合わせには、シェードガイドと呼ばれる、色の微妙に異なる人工の歯がたくさん並んでいる定規のようなものを使って、どの色に一番近いかを天然の歯の近くに当てて調べます。

もっとも近い色が分かったら、その色でセラミックインレーを作成してもらいます。

仮の蓋をする

歯型取りと色合わせが終われば、この後は、セラミックインレーができあがるのを待つばかりです。

しかし、穴が開いたままでは食事がしにくいので、仮の蓋をします。仮の蓋の材質は歯科医院によって異なりますが、穴につめて光を当てて固めるものが一般的です。これで普通に物を食べる生活ができますが、硬すぎるものを無理に噛むと仮の蓋が外れてしまうこともありますので、あまり刺激を与えないことが大切です。

仮の蓋の除去とセラミックインレーの装着(約1週間後)

1週間でセラミックインレーができあがってきます。再度通院し、仮の蓋を除去してセラミックインレーを取り付けます。セメントという接着剤を使って、しっかりと合着させます。

LEDライトで接着剤を固める

セラミックインレーで使用する接着剤のセメントは、合着させるためにLEDライトを照射することがあります。ライトで接着剤を固めます。

咬み合わせの調整

しっかりとセラミックインレーが装着できたら、次は咬み合わせを調整します。左右のバランスが悪いと顎の痛みや、肩こり、頭痛などの不具合が起こることもありますので、充分注意して入念にチェックします。もし咬み合わせが悪ければ、研磨して整えていきます。

仕上げの研磨

咬み合わせを調整し終わったら、次は仕上げの研磨を行います。ざらざらした歯面では生活しにくいので、つるつるに仕上げます。段差がないかなど最終チェックして治療は終了です。

【まとめ】セラミックインレーとは?治療のメリットとデメリットについて

虫歯になってしまったら治療は必須ですが、笑ったときに奥歯にギラっと金属が見えてしまっては自信をもって笑顔になれません。

たとえ白くても変色したり取れやすいプラスチックですと、何度も修理が必要となります。クラウンで大きく被せてしまうと自分の歯を大きく削りますし、治療費も高額になります。

できるだけ自分の歯を残して、小さく、白く、長持ちさせることを目的としたセラミックインレーは虫歯治療の選択肢の一つです。

すべての治療にメリット、デメリットがあるように、セラミックインレーにもメリットとデメリットがあります。治療後に後悔しないように、今回ご紹介したメリットとデメリット、治療の流れなどをよく理解して、歯科医師に任せすぎず、ご希望にあった治療方法を選択しましょう。

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