セラミックインレーによる歯の詰め物治療について

セラミックインレーの画像

虫歯になったら、歯科医院で虫歯を削って失った部分を別の材料で再建します。 虫歯の大きさや、深さ、材料の材質で方法も様々です。では 奥歯が虫歯になったらどうするでしょうか。

今回は奥歯の虫歯治療時に行う、セラミックインレーをご紹介いたします。

虫歯治療後の奥歯の再建方法は?

保険内診療で歯を再建する場合、小さいものは詰めるだけのレジンという材料で治せます。 これは白い素材なので歯と馴染みやすいですが、 擦り減りやすく変色したり、二次虫歯になりやすいデメリットもあります。寿命は2〜3年程度で交換する必要が出てきます。

さらに、大きい虫歯や神経を取る深さの治療になった場合は、保険診療の場合は銀歯になってしまいます。 銀歯は強くて丈夫ですが、見た目が黒く光っている点、金属アレルギーのリスクもあります。 銀歯は寿命は3〜5年程度でしょう。

これに対し、奥歯の大きい虫歯も白く丈夫で美しく治せる方法があります。 それがセラミックインレーです。

セラミックインレーとは?

セラミックインレー

セラミックとは「せともの」のことです。 お茶碗と同じ陶材ですので変色せず、見た目も美しく、適合といい、歯との相性もいい素材です。 アレルギーを起こす可能性が限りなく低く、生体親和性が高い素材であるのも特徴です。

また奥歯は噛む力が強く、耐久性が重要になるため、今までは銀歯や金歯が良しとされていましたが、 最近では材料の進化し、セラミックでも十分適応となりました。

セラミックインレーとは、虫歯を削って歯型を取り自分の歯を最大限残しながら、インレーという部分的な被せ物のセラミックを装着する治療法です。

セラミックインレーのメリット

歯科治療のメリットの画像

セラミックは歯型をとって技工所で作成します。 模型上で丁寧に作成するため細やかな着色や、形態修正、研磨など、歯の再現性が高く、 また適合といい、歯との境界に段差などが出来にくく、二次虫歯のリスクが下がります。

セラミックという陶器の素材を使うため、変色せず透明感に優れ、色の種類も豊富に揃っており、その白く美しい歯から、残る自身の歯の色に合わせた色から選ぶことが可能です。また、表面も光沢があり滑らかで汚れや着色が付きにくく、 汚れが付いてしまっても取れやすいので口臭などにもなりにくいです。

インレー自体が虫歯を取った後、部分的に歯を再建する方法なため、 できるだけ多く自身の歯を残すことができます。

治療した歯に虫歯ができたとき、銀歯の場合は隙間から虫歯が進行して広がるため一度銀歯をすべて外して作り直す必要があります。しかし、セラミックインレーの場合は、変形せず強固に接着剤で歯と接着しているためセラミック部分を残して虫歯を取り除き、 部分的に治すことができる場合があります。

セラミックインレーのデメリット

セラミックインレーのデメリット

セラミックインレーはダイレクトボンディングと違い、治療箇所の歯型を取り、仮の蓋をして数日〜1週間程度待ちます。 後日、技工所で作成されたセラミックインレーを装着するため、通院回数が増えます。

保険が適応となるのは銀歯で、白く美しく治すセラミックインレーは保険外診療のため、3〜7万円程度費用がかかります。

陶材であるセラミックインレーは、殴っても割れにくいですが、落とすと割れるお茶碗のように、歯ぎしりや食いしばりなどの強い力が加わると割れるリスクがあります。就寝時に歯ぎしりや食いしばりなどの症状がある方は、あらかじめもっと硬いジルコニアというダイヤモンドの素材やマウスピースをはめるなどの予防策が必要です。

自分の歯を残しているので、急に歯全体を白くするといったことはできず、白くしたい場合は事前にホワイトニングが必要であったり、現在の歯の色に合わせて作成するなどの考慮が必要です。

コンポジットレジンとの違い

先ほども触れたレジンとの違いについて、もう少し詳しくみていきましょう。レジンとは「コンポジットレジン(CR)」のことで、樹脂製の白い修復材のことをいいます。

コンポジットレジンは、はじめは粘土のようにやわらかい状態ですが、光を当てると硬くかたまる性質があります。歯科治療では歯のすき間をふさいだり、欠けた歯を補ったりするときによく使われます。銀歯などと比べて安価かつスピーディーに充填でき、しかも歯に近い白さがあるためそれほど目立たないというメリットがあります。

セラミックインレーとの大きな違いは、コンポジットレジンは擦り減りやすく、変形が起こりやすい点です。セラミックインレーは陶器なので、擦り減りや変形が比較的起こりにくいです。また、セラミックインレーは本物の歯と同等、またはそれ以上の透明感と審美性が高いですが、コンポジットレジンは透明感はありません。

また、コンポジットレジンは、二次虫歯になりやすい一方、セラミックインレーはそうしたリスクが低いです。また、セラミックインレーは費用が高いものの、コンポジットレジンよりも耐久性や見た目の美しさに優れています。

セラミックインレーとコンポジットレジンの比較

セラミックインレー コンポジットレジン
摩耗・変形 起こりにくい 起こりやすい
変色 起こりにくい 起こりやすい
透明感 あり なし
価格 高価 安価
金属アレルギー 心配なし 心配なし
二次虫歯になりやすさ 歯に接着しやすく、二次虫歯になりにくい 二次虫歯になりやすい
寿命 10年以上 2~3年

インレー、アンレー、クラウンの違い

セラミックインレーは、「インレー」の一つです。インレーとは部分的な被せ物や詰め物のことを指しますが、被せ物や詰め物には、他にも「アンレー」や「クラウン」などの種類があります。いったいこれらの3種類はどう違うのか整理しておきましょう。

インレー アンレー クラウン
歯全体の5分の4を覆うもの 歯全体を覆うもの(歯にかぶせるもの)
「IN(イン)」⇒歯に入れるという意味で、部分的に歯に補う詰め物のことです。 「on(オン)」⇒歯にのせるという意味で、インレーより大きく、クラウンよりも小さいものです。 歯の欠損した部分をインレーやアンレーなどでは補修できない際に、歯全体を冠のように覆います。

セラミックインレーのよくある質問

セラミックインレーのよくある質問

最後に、セラミックインレーの疑問や不安を解消しておきましょう。

オールセラミックインレーとは何ですか?

セラミックにはさまざまな素材があります。なかでも、インレーに使えるのが「オールセラミック」と「ハイブリッドセラミック」です。オールセラミックとは、100%セラミック素材という意味です。

噛み合わせの状態によって、オールセラミックでは強度に不安がある場合は、ジルコニアセラミックを選択する場合もあります。

一方、ハイブリッドとは、セラミックとコンポジットレジンとのハイブリッド、つまり、2種の素材を合わせたものです。レジンはもともと変色しやすさや耐久性に劣るため、セラミックを混合させることにより強度が高くなっています。

ただ、オールセラミックと比べると耐久性・変色の面では劣ります。セラミックだけで作られたオールセラミックは、天然の歯に近しい透明度で美しいというメリットがあります。

銀歯のインレーとセラミックインレー、どちらにしようか迷っています。セラミックのほうが機能面で劣るということはありますか?

セラミックが機能面で劣ることはありません。審美性を求める場合にはセラミックが優勢ですが、機能を気にされるのであれば、どちらも同等です。

ただし、将来的なことを考えると、適合の高いセラミックインレーのほうが、装着したすき間から菌が入り込みにくいため、虫歯になりにくいというメリットはあります。

また、セラミックは割れやすいといわれることがありますが、よほど強く歯ぎしりや食いしばりをしない限り、通常、割れることはありません。

セラミックインレーにすると定期的なメンテナンスが必要になりますか?

セラミックインレーは、長期間問題なく使い続けるためには定期的にメンテナンスを受けると安心です。ただ、銀歯やほかの詰め物にしたからといってメンテナンスが不要というわけではありません。むしろ銀歯のほうが、その銀歯を被せた下の歯が知らないうちに虫歯になっていたというケースも多いのです。

このことを考えると、セラミックインレーのメンテナンスの際に口の中全体をチェックしてもらう習慣があるということは、大きなメリットといえます。

すでに銀歯になっているところをセラミックインレーに変えることはできますか?

できます。銀歯は見た目の点で気になるだけでなく、虫歯になりやすいため、セラミックインレーに変えることで、歯の健康を守る意味でもメリットがあります。

銀歯を外してみて、虫歯になっている場合、治療も行えるので、歯の将来のことを考えても良いタイミングといえます。

セラミックインレーのまとめ

虫歯になってしまったら治療は必須ですが、笑った時に奥歯にギラっと金属が見えてしまっては自信をもって笑顔になれません。

たとえ白くても変色したり取れやすいプラスチックですと、何度も修理が必要となります。クラウンでおおきく被せてしまうと自分の歯を大きく削りますし、治療費も高額になります。

できるだけ自分の歯を残して、小さく、白く、長持ちさせることを目的としたセラミックインレーは虫歯治療の選択肢の一つです。

すべての治療にメリット、デメリットがありますので、後で後悔しないように、歯科医師に任せすぎず、ご希望にあった治療方法を選択しましょう。

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